二十代は模索のときブログ」カテゴリーアーカイブ

まだまだソフトウェア技術者の活躍は終わらない

活躍の場所をクライアントPCからネット、そして今度はモバイルへと移し、まだまだソフトウェアエンジニアの活躍は終わらない。

米アップルは6日、携帯電話「iフォン」向け応用ソフトの開発促進策を発表した。6月までに開発に必要な技術を外部の技術者に無償公開し、開発したソフトを同社運営のサイトでiフォン利用者に販売する。タッチパネル操作などを生かすゲームや業務ソフトが開発される見込みだ。

日本経済新聞

モバイル分野はこれから相当エキサイティングだろうなぁ。才能ある若者はどんどんこういう所に飛び込んでもらいたいものだ。

もう媒体の時代じゃない

ちょっと前の話になるんだけど、CDは全部処分しようと決心して、実際にそうした。同世代の人間は共感してくれると思うが、CDは青春の象徴的な存在であったし、一枚一枚に色々と思い出が詰まっていたりするのだが、「もう媒体の時代じゃない」という時代の変わり目を肌で感じた瞬間があり、その決心に至った。
これからも下記の様なニュースはわんさか出てくるであろう。

英紙イブニング・スタンダードは8日までに、ビートルズ元メンバー、ポール・マッカートニーさん(65)が、米アップルの音楽配信サイト「アイチューンズ・ストア」にビートルズの楽曲を提供することを決めたと報じた。

テクノロジー : 日経電子版

そんなこんなでHD-DVDとブルーレイの争いなんかも、多くの人がそう指摘しているようにちょっと時代錯誤だという印象を受けてしまうのが正直な気持ち。既にAppleはAppleTVを中心とした映像の配信戦略を進めているが、いずれそこに多くの企業が参入してくることになるだろう。僕は元々あまりDVDを所有していないのだが、もしCDのようにたくさん保有していたとするならば、きっとこのタイミングで処分に走っていることと思う。
もう媒体の時代じゃない。

梅田望夫「ウェブ時代 5つの定理」

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

いきなり余談だが、うちの奥さんは「うめだもちお」という名前がいつまで経っても頭に定着しないらしく、いつまでも「もちださん」と呼び続けている。「もちださんの本、Amazonから届いてたよ」みたいな感じ。名前はやっぱり「うめお」だと思っているのだろうか。
さてそんな著者の新たな書き下ろしに目を通してみた。なるほど、ビジョナリーや時代の先端をゆく技術者達の金言が上手くまとまっている。その言葉から著者が受けた衝撃、その言葉のコンテキスト、その言葉が発せられたときの時代背景なども付随して付いているのは、その金言が示唆している本当の意味を読者に考えさせる為にはどうすれば良いかを著者が考えた上の結論だろう。
金言のほとんどはシリコンバレーに大きく関係する人々からの発言であるため、本書全体の雰囲気は、著者のデビュー作である

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)
と近い。著者の本の書評を書くときには必ず似た様なことを書いている気がするが、若い人に読んでもらうべき本だと思う。若い人っていうのは社会人3年目くらいまでかな。しかも技術者を志している若者だとばっちり。世界にはこの金言を発しているような人達が集まる場所があって、それなりの才能があり、一生懸命努力してそれを伸ばしていくのなら、君たちもこんな場所で働けるかもしれないよ、とそういうメッセージを若者に伝えるのに丁度良い本ではある。
さて批判を書くとすればだが、まず単純に名言が多いと思う。これでも著者としては絞りに絞ったんじゃないかと推測するが、なお多いというのが僕の感想だ。「この中から自分の力となる言葉を探してもらえれば」という著者の意図は十分に伝わってくるものの、これだけの言葉があると、全体としてぼやけた印象を与えてしまうように思った。あとそれぞれの言葉なんだけれど、思い切って「英語で名言を書いて、その横にちいさく日本語訳を書く」という形式にしてほしかった。これも著者は色々と考えたであろうことがどこかに書いてあった気がするが、「シリコンバレーで勝負するには、色々な人の金言を理解するためには、君たち英語が必要なんだぜ」的なメッセージを込めてみて欲しかった。で、ひとつ目の批判とも繋がるんだけど、もうちょっと数を減らし、金言ひとつに1ページ使うようなレイアウトにしてみると、英語を横書き出来るので読み易さも増すんじゃないかと。もちろん諸事情はあるかと思いますが。
今年は僕の読書禁止年ですが、読んでしまいましたよ。

迫りくる危機を従業員に伝えた方がいいのか

以下の二つの記事を読んで考え込んでしまったのが、もし自分が経営者だとして、従業員に今迫りくる危機を伝えるか、それともそれは隠しておいて「当社の事業はまだまだいけるぜ」という姿勢で行くのかどちらが良いのだろうかということ。
http://d.hatena.ne.jp/rintaromasuda/20080301/1204388898
http://d.hatena.ne.jp/rintaromasuda/20080222/1203631378
もちろん従業員も馬鹿ではないだろうから、それぞれに自分の会社の危機については調べてくるだろう。が、それを経営側から発表するというのは従業員にとって意味が違ってくる。もしその危機の説明に説得力があるとした場合、ロイヤルティーの高い企業だったら社員が一丸となってくれる可能性があるが、低い企業の場合だったら社員が逃げ出す可能性がある。要は会社の状況次第なのだろうか。個人的には自分が従業員だったら教えて欲しいと考えるし、どんな状況であっても経営者だったら危機を従業員に素直に伝えたいと思う。

このブログのアクセス状況を晒してみる

先月は最初の二日を除き、毎日当ブログにエントリをアップした。それを記念して先月のアクセス状況をこちらに晒してみる。たまにアルファブロガーの方がアクセス状況を公開しているときがあるけれど、普通のブロガーが気になるのはやっぱり普通のブログのアクセス状況だろう。
2008年2月のアクセス状況は以下の通り。

ちょっと見づらいのだが、アクセス総数が6415で、ユニークアクセスが4713となっている。
次に日ごとのアクセス状況を見てみる。

見ての通り、先月は毎日記事を書いた事もあり、コンスタントに200/日程度のアクセスを頂いた。多少注目されたエントリを書いた月に、これ以上のアクセスを記録したことはあったけれど、やはり書き手としては突発的なアクセスではなく、コンスタントなアクセスが多い方が嬉しいというものだ。ちなみにぴよっと一本飛び抜けているのはこのエントリをアップした日で、はてブの注目エントリーからトラフィックが流れてきたのが大きく、ユニークアクセスが約600となった。
来月は色々と環境が変わる為に更新頻度が落ちてしまうかもしれないが、なるべくこのペースを保っていきたい。

GoogleがEnterprise分野を浸食する

エンタープライズ分野、本当に大丈夫か。

インターネット検索最大手の米グーグルは企業向けの情報共有サービスを始めたと発表した。ネット経由で無償提供し、予定表やプレゼンテーション資料など様々なデータを社員間で共有できる。同様の機能を持つソフトを販売するマイクロソフトなど既存ソフト大手との競争が激しくなりそうだ。

テクノロジー : 日経電子版

先日Googleが提供するシステムが低価格だという話題のエントリを書いたが、またしてもこういった話題が出てきてしまった。もはやグループウェアと呼ばれるようなシステムに関しては、どんどんGoogleに浸食されていくと思って間違いないだろう。無料で提供と来たら、もはや「ネットで共有なんて危ないですよ」というような売り方しか出来なくなるんじゃなかろうか、他の企業は。

「頑張れ」という無責任で曖昧で素晴らしい言葉

ここ二日間に僕の回りでたくさんの「頑張れ」と「ありがとう」があった。

僕が送った「頑張れ」と「ありがとう」もあったし、僕が送られたものもあった。僕と直接の関係はないものの、僕にとって大きな意味を持つ「頑張れ」と「ありがとう」もあった。

「頑張れ」なんて言葉に具体的な意味はない。具体的な意味のない、極めて無責任な言葉だ。この言葉を送った方だけが一方的に満足して、送られた方にとってはプレッシャーになりかねない危険な言葉だ。

だけど、この言葉に込められる意味は何よりも大きい。具体的なプランや安心なレールの提供よりも、とても暖かく、旅立つ者に、挑戦する者にこれほど相応しい言葉はない。

「頑張れ」

ここ二日間でこの言葉を送った人達に、僕より若い人達に、この言葉を今一度送りたい。この言葉を重圧のように捉える必要なんてない。ときに休息をとることだって、「頑張る」うちに含まれる立派な行動のひとつだって忘れないでほしい。

「ありがとう」

僕に「頑張れ」を送ってくれた方、僕に「頑張れ」を送らせてくれた方全てにこの言葉をもう一度送りたい。

あなたがしていた事の中で、あなたは大した事をしていないと思っていても、僕にとっては大きな意味を持つ事だということはたくさんあった。

それは他の全ての人にとって意味のある事ではなかったかもしれない。

僕が勝手にひとりで感謝しているに過ぎないかもしれない。

ただ、これは事実。あなたがしてくれた事は、僕という人間の中では少なくとも大きな意味を持っています。

「ありがとう」

あなたが気付いていないその事に感謝の言葉をお送りします。

「頑張れ」

これからも何とかやっていけるように、あなたにも僕にもこの言葉を贈らせて頂きます。

また何処かで会えるといいね。

ネット世論と人の思考パターンは似ているかも

これってつまり人間の思考パターンが、インターネットではそのまま表現されるということなんじゃないか。

ところでネット上の反応には「下げてから上げる」というパターンが見られると思う。最初条件反射的に批判的なものを含む感情的なコメントがたくさん見受けられ、その後に肯定的なものを含む理性的な批評的意見が現れるというパターンがあるのではないか。それなりに新規性があり、且つ、論ずるに値するだけの価値があると思われる話題については、ネット上でこのパターンがよく現れると思う。

下げてから上げるネット世論 – jkondoのはてなブログ

他人の思考パターンは分からないので自分の思考パターンを考えてみると、何か気になることがあったとき、感情にどこか引っかかる事が起きたとき、特異な意見や考えを耳にしたときなどには、どうしても批判から入っていく傾向にある。「それって大丈夫なのだろうか?」とか「上手くいかないんじゃないだろうか?」とか「(相手の知識や経験など鑑みて)あまり有用な意見じゃないんじゃないだろうか」とかそういう考えから思考が始まる場合が多い。最近はそこまでじゃないけど、もうちょっと若い頃はこの時点で感情的になることもあったように思う。しかし数日経ってから冷静な自分にもう一度考えさせてみると、最初に思考を邪魔していた何かがいなくなっていて、その意見の良い側面であったりとか、一理ある部分とか、認められる部分なんかが見えてきたりする。そして最終的には自分が間違っていた事に気づくこともある。あるいは自分と方向性の相違があるだけで極めてまともな意見であったと思ったりとか。その思考を邪魔するものってプライドだったり過去の経験だったりそういうものなんだろうけど、まあ誰にせよ持っているものな訳で、邪魔されているのもきっと僕だけではないだろう。
インターネットの話とずれてきたので戻すけれど、id:jkondoが言っているネット世論のパターンというのは、人が思考するパターンに似ていると思う。人の思考パターンが世論に表れているんだったらなんか健全な気がするし、ネット世論の可能性が見える部分なのかもしれない。なんかそういう一連の世論の流れを追える様なサービスがあったりするといいかもしれない。ただ今現時点で忘れていはいけないと思うのが、ネットで意見を発信しているのは、少なくともこの日本ではまだ限られているということ。勿論テレビに比べれば桁違いの人間が意見を発信しているが、じゃあ多様なのかと問われれば、現在は偏っていると答えざるを得ない。そういう状況のはずだ。

Amazon.comで購入したものは日本まで発送してもらえる

米国のAmazon.comで買った本を日本まで発送してもらえるという驚愕の事実を今朝知った。早速試してみたらなんなく注文できた。書籍が到着するのを楽しみにしている。Market Placeで販売されている本は必ずしも国外発送できないだろうが、少なくともAmazonそのものが売っている本であれば大丈夫のようだ。これで洋書がぐっと買いやすくなり、非常に嬉しい。
当然Shipping Feeがかかってくるのだけど、今回は$120くらいの買い物をして、Feeが$20くらいだった。これだと10日弱くらい到着までにかかるようだが、日本のAmazonで洋書を買おうとすると、

  • 在庫がない(発送まで3〜5週間とか書いてある)
  • 割高
  • レビューが無い。または和訳版のレビューとごっちゃになっている

という状況がほとんどなので、これからは洋書はAmazon.comで買うことを基本にする。とは言ってもFeeは馬鹿にならないので、なるべく買いたい本は躊躇しないでまとめて買ってしまうことにすればいいだろう。国外発送にもいくつかオプションがあって、一番高いやつだと$40くらいFeeがかかってくるけど、2〜4日くらいで到着するような事が書いてあった。まあそんなに急ぐことは僕にはないだろうけど。

百度

百度が日本に進出してから日も浅いので、まだネット上での存在感に欠けているのはしょうがないことだが、日本でもエンジニアを本気で集めているようなので、この先面白いプレイヤーになってくるかもしれない。
創業者のRobin Li氏はおそらく日本には中々いないタイプの起業家で、北京大学とニューヨーク州立大学大学院でコンピュータサイエンスを学び、InfoseekやGO.COMで検索関連の開発に従事した後、シリコンバレーでVCより資金の提供を受け、中国で百度を設立したようだ。

北京大学卒業後、ニューヨーク州立大学でコンピューターサイエンス修士取得。卒業後は、Dow Jones&Company,Inc.やInfoseekに勤務。Infoseekでは検索エンジンの設計を担当。彼が開発したESP技術はInfoseek/GO.COM のサーチエンジンに応用されているほか、GO.COMの画像サーチエンジンも開発している。インターンシップ時代には米国松下電器産業で働いたこともあり、この経験が「人生を変えてしまうほどの大きなきっかけ」となったと語っている。

2000年1月1日、ベンチャーキャピタルからの120万ドル融資を受けてシリコンバレーより帰国し、百度公司を設立した。 2001年8月には検索エンジンBaidu.comのベータ版を公開し、同年10月には正式版リリース。2005年には同社を米ナスダック上場へと導いている。

ロビン・リー – Wikipedia

僕が日本にあまりいなそうだと言ったのは、日本だとここまでエンジニアリングを専門に学び、エンジニアリングを専門として働いている人間が起業(しかも外国のVCから融資を受けて)というケースをあまり聞かないからだ。どうしても日本の場合、僕もそうだが、技術者は技術職人としてのコースを歩きたがるところがある。起業はどちらかと言うと技術者の側からではなく、ビジネスの側から起こることが多いだろう。理系よりは文系と言ってもいいか。日本のIT企業をぱっといくつか思い浮かべてみても、もともと創業者がばりばり専門分野の技術に強かった、という例はあまり思い出せない。強いて言えば堀江元ライブドアCEOは自らも有能なプログラマであったと聞いているが。
このLi氏、中々の男前で英語も堪能。まだ若いし、このまま百度がどんどん成長していくと、Kai-Fu Lee氏に続く、中国のITエンジニアの憧れの的となりそうだ。こういった人の出現が後進に与える影響は強いと思われ、今後中国がさらに手強くなってくるだろうな、と予測する。以下はYouTubeで見つけてきた彼の動画。