読書記録」タグアーカイブ

佐藤雅彦 竹中平蔵「経済ってそういうことだったのか会議」

経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)

経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)

超ヒットメーカーと経済学者の会議。会議というよりも建設的な雑談かな。

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James Surowiecki「The Wisdom of Crowds」

The Wisdom Of Crowds: Why the Many are Smarter than the Few and How Collective Wisdom Shapes Business, Economics, Society and Nations

The Wisdom Of Crowds: Why the Many are Smarter than the Few and How Collective Wisdom Shapes Business, Economics, Society and Nations

WEB2.0論議に乗っかって話題となっている本書をかるくナナメ読みしてみた。

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塚本潔「韓国企業モノづくりの衝撃」

韓国企業モノづくりの衝撃 ヒュンダイ、サムソン、LG、SKテレコムの現場から (光文社新書)

韓国企業モノづくりの衝撃 ヒュンダイ、サムソン、LG、SKテレコムの現場から (光文社新書)

いわゆる「モノづくり」、つまり製造業分野において韓国企業はどこまで日本企業に迫ってきているのか、追いつかれているのか、追い越しているのか。巷間でよく話題になる内容だが、本書はその現状について

  • 携帯電話
  • ネット家電
  • デジタルテレビ

を例に、日本企業との差、韓国企業の経営者やエンジニアの意識、世界市場での売れ行きなどを論じている。

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神田敏晶「Web2.0でビジネスが変わる」

Web2.0でビジネスが変わる [ソフトバンク新書]

Web2.0でビジネスが変わる [ソフトバンク新書]

「ビジネスが変わる」と書いてあるものの、著者がメディアをやっている関係か、宣伝や広告の分野における話題が中心。Web2.0と言われている現象がその分野にどのような影響を及ぼすのか、どのようにWeb2.0の考え方を取り入れるべきなのかという話題が中心に位置する。そして本書の最重要キーワードとなるのが、CGM(Consumer Genarated Media)である。

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竹下節子「アメリカに「NO」と言える国」

アメリカに「NO」と言える国 (文春新書)

アメリカに「NO」と言える国 (文春新書)

「欧米」という言葉を「欧」と「米」の違いを考慮することなく使っていないか。欧州に関する情報源のほとんどをイギリスからのものに頼っていないか。「西洋」というだけでひとつの括りにして扱っていないか。「キリスト教」というだけで一纏めにして扱っていないか。

本書は非アングロサクソン系の欧州国であるフランスの外交姿勢、国としての性格、国民の行動様式をアングロサクソン系のアメリカやイギリスと比較しながら分析し、なぜフランスがアメリカに「NO」と言えるのか、またその国としての在り方から日本国が取り入れるべきことは何なのかについて考えようという意欲に溢れる作品である。

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手嶋龍一「ウルトラ・ダラー」

ウルトラ・ダラー

ウルトラ・ダラー

訳あってしばらく小説の類は読まないようにしているのだが、久しぶりに一冊読んでしまった。どうせ読むならということで、前から気になっていた手嶋氏の本書を選択。

本書はスパイ小説、ハードボイルド小説、推理小説、経済小説といったような色々な側面を持っている物語である。扱った内容が「北朝鮮によるドル紙幣偽造」であったので、ドキュメンタリーの要素もあるんじゃないかということで各地で話題になっている模様。まだ読んでいないけれど、手嶋氏のオフィシャルサイトに様々な書評へのリンクが貼ってある。ご購入時の参考にされたし。

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大前研一「即戦力の磨き方」

即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)

即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)

以前にも取り上げた本書ですが、ちょっと空いた時間に読むために買ってみました。

やはり結論から言うと、大前氏はいつもと同じ事を言っていた。ホリエモンが取り上げられたりしているのに時代を感じるけど、初めて大前氏の本を読んだ何年か前とほとんど一緒の内容なのだ。大前氏がこれほどハイペースで本の出版が可能なのも、根底にあるアイデアは常に同じで、それを飾り付ける言葉やエピソードが違うだけだからなのだろう。同じことが和田秀樹氏にも言えそうだ。

とはいえ大前氏が繰り返し叫んでいる内容は、日本人ビジネスマンは真摯に受け止めるべきである思う。今回も明確に

  • 英語力
  • 財務力
  • 問題解決力

を身に付けるべしと論じている。特に英語に関しては僕も同意見だし、財務力(財務感覚と言ったほうが良いかも)は欧米に比べると日本人はまったく持っていない。自戒も込めてこれは事実だと言っておきます。問題解決力はつまるところ論理的思考能力、事実に基づいて論じる能力、ディスカッションする能力などのことを指しているようで、これも日本人に足りないところ。

あと本書では論じていないけど、「行動力」っていうのも大切かつ、日本人に不足している能力だと思う。コンビニで働いている中国人を見ると本当にそう思う。

高安秀樹「経済物理学の発見」

経済物理学の発見 (光文社新書)

経済物理学の発見 (光文社新書)

やばい。なんだこの本、滅茶苦茶面白かったぞ。久しぶりに味わったこの知的興奮。是非とも皆さんも味わいなされ。たったの760円、250ページ強ですから。

本書は経済現象(本書では主に為替の変動を扱っている)を物理学的手法による解明を試みる新しい分野、経済物理学(エコノフィジックス)について解説した本である。フラクタル、ベキ分布、カオス。物理学者の目から見れば、経済情報の中に物理現象と似た現象が頻繁に観察出来る。そしてある経済的な問題(例えばインフレとかバブルとか)に対する解法も、物理学的手法により導き出せる可能性がある。そういった「経済を研究している物理学者」のお話である。

個人的な話になってしまうが、「経済物理学」という言葉を初めて知ったときは嬉しかった。「人間の行動をマクロに見たときに、物理の法則に似たある決まった動きが見られるのではないか」という考えをずっと持っていたからだ。そのことについて考えるとき、大学で勉強した統計力学を思い出したものだが、その考え方があながち間違っていなかったこともこの本を読んで分かった。さらに経済学を学ぶと誰もが抱く「そんな上手いこといくんかいな」的なもやもや感を見事に祓ってくれる可能性のある学問であることもこの本を読めば分かる。今まで読んだ経済学の本とはすっきり度が違う。この感動を無くさないうちに、高安先生の他の書籍にも手を出したいところだ。

この分野のさらなる発展を望む。

David A. Vise「The Google Story」

The Google Story

The Google Story

Google本ブームに乗っかって、適当な洋書を買ってみた。

表題に偽りなしというか、本当にGoogleの物語。ラリーとペイジの出会い、PageRankのアイデア、投資、起業、世界中への拡がり、ビジネスモデルの完成、IPO、中国問題など、ほぼ時系列にGoogleが辿ってきた道筋について書かれている。雑誌の記事に近い文章で、著者が考えなどは書かれていない(著者はワシントンポスト紙の記者みたい)。かなり細かく章立てされていて、300ページの中に26章もある。

「Googleの動きは新聞やブログで常にチェックしてるよ」という人であれば、目新しいことも何も書いていないし、読む必要はないと思う。「Googleに最近興味が出てきたので、今までの軌跡を知りたい」という人であれば、英語の勉強も兼ねてご一読どうぞ。一つの章がすごく短いので、集中力を保って読めますよ。表現も易しいです。

なぜか巻末にGLATテストがくっついてます。

追記:

どうやら後日、翻訳版が発売された模様。「Google誕生 ?ガレージで生まれたサーチ・モンスター」というタイトルで発売中ですので、良かったどうぞ。

岡嶋裕史「数式を使わないデータマイニング入門」

数式を使わないデータマイニング入門 隠れた法則を発見する (光文社新書)

数式を使わないデータマイニング入門 隠れた法則を発見する (光文社新書)

「暗証番号はなぜ4桁なのか?」「郵便と糸電話でわかるインターネットの仕組み」に続く、岡嶋先生の第三弾はどうやらデータマイニングがトピック。路線は相変わらずで、データマイニングって何だっけ?という人でもすんなりと世界に入っていける入門書の入門書。このお方、こういう入門書の入門書を書かせたらかなりの腕前かも。

本書は非常に単純で身近な例を用いながら、データマイニングのさわり(回帰分析、連関規則、ニューラルネット)の考え方を教えてくれる本である。タイトルにあるように一切数式は出てこないため、「数式出てくると読む気なくす」という人でも大丈夫。逆に言うと「数式出てこないと物足りない」という人は読むのはちょっと辛いかもしれません。

本書では著者がWEB2.0やamazonのサービスにまで言及する部分があり、今までの二作とそこは随分色の違う記述だった。というかそもそもインターネットサービスが爆発的に普及する中で、再びデータマイニングが利用され始めているからこそ、著者は本書を書いたんでしょうね。

それにしても岡嶋先生、今度は先生の数式ありの本も読んでみたいのですが、出版のご予定はございますでしょうか?即買いすると約束します。

そういえばその昔下記の書籍も読んだ。これももう持ってないんみたいなんだけど、とっておけば良かったかな。

ウォルマートに学ぶデータ・ウェアハウジング―流通業界“巨人”の躍進を支える情報基盤の全貌

ウォルマートに学ぶデータ・ウェアハウジング―流通業界“巨人”の躍進を支える情報基盤の全貌

  • 作者: ポールウェスターマン,日本NCR,Paul Westerman,須藤晶子,平田真理
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2003/02
  • メディア: 単行本
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